滝浪 |
そこのところ大きいと思います。 |
近江 |
うちの劇団の印象は? |
滝浪 |
やっぱり女性が強い(笑) |
近江 |
男少ないからねぇ。劇団は男優が多い方がほんとは長続きするんだよね。 |
滝浪 |
あと素直な感じもしましたね。 |
近江 |
素直? |
滝浪 |
素直に入れるって言うのかなぁ。 |
近江 |
作品のことですか? |
滝浪 |
そう。エンターテイメントだけどバックボーンがそれなりにあって。 |
近江 |
あぁ、まぁ、誰が見ても興味持てるように工夫したつもりです。昔はわけがわからなくても面白い?みたいなの書いてましたけど、最近は社会的なテーマを時系列で書く場合が多いです。笑いも入れつつ。 |
滝浪 |
僕は、わけがわからないけど面白い、と評論家に言わせてみたい(笑) |
近江 |
ところで静岡と浜松の違いってありますか? |
滝浪 |
こっちの方が、というか西の方がエンターテイメントが強いような気がするけどね。 |
近江 |
それはきっと成功しないエンターテイメントですね(笑) |
滝浪 |
静岡はSPACの印象強いからなぁ。 |
近江 |
でも最近は積極果敢という感じがするけど。県民劇団といい、リーディングカフェといい。 |
滝浪 |
SPACに吸収されてますね(笑)。静岡の劇団は今弱くなってきてる。 |
近江 |
そういう見方もできるのか。でも一方で大道芸とか、ストリートフェス、でしたっけ?そんなのもありますよね。 |
滝浪 |
そういうのは演劇とはまた違うかもしれないし・・ |
近江 |
浜松では路上演劇があります。滝浪さんは「オトナ青春団」で参加してるけど、滝浪さんは演劇ってどういうものだと思います? |
滝浪 |
楽しければいいものだと思いますよ。ちょっと声出してみるだけでも楽しいと思うし。 |
近江 |
「春なのに・・」はお客さんも擬音なんかを発して参加するところがある。 |
滝浪 |
うん。ああいうちょっとした声や言葉がいろいろな背景を持つことで「劇」になる、そんなふうに思う。 |
近江 |
なるほど。言の(事の)葉って感じで。 |
滝浪 |
もちろんそれを追求し出すと難しいけど。 |
近江 |
ええ。 |
滝浪 |
大道芸は芸を見せる。芸ができる人です。でも芝居は芸じゃない。芝居ができる人は心を動かせる人ですね。 |
近江 |
自分の心ということ? |
滝浪 |
はい。物事をよく感じ取れる人。だから素直でやさしい人が向いてるんです。 |
近江 |
あぁ、そうかもしれませんね。 |
滝浪 |
子どもに読み聞かせするでしょ。これ、親には勝てないんだよね。だからそういう「親」になるのが理想ですね。 |
近江 |
よくわかるたとえです。「春なのに・・」で滝浪さんがやられた父親の一人芝居。あの語り、実によかった。 |
滝浪 |
例えば「雪が白い」ってセリフがあるとしたら、その内容を伝えるというより、いっしょにその雪をここから見てっていう、そういう感じですね。言葉じゃなくてそのものを伝えたい。共有したいんです。 |
近江 |
なるほどなるほど。そのあたり演技の真髄と言ってもいいでしょうね。 |
滝浪 |
共有し合えるお客さんがいないと成り立たないですけど。演劇はお客さんも大事です。 |
近江 |
大勢のお客さんをよべるよう頑張りたいと思います。今日はありがとうございました。 |